対応できる症状や問題
自分の問題
アディクション・依存症
アディクション、依存症などの嗜癖問題
アルコール・タバコ・薬物等の物質を伴う依存の問題、摂食・自傷・ギャンブル・買い物・セックス・ネット等の行為の依存の問題
「害があるのに止められない。」不健康な習慣へののめり込み、抜け出すことが困難になっています。
物質を伴う依存の問題は、依存症専門の医療機関の外来通院とび自助グループの資源を利用することをお勧めします。
依存行為は、その人の生き辛さを自分で解消しようとする試みの一つです。辛いことから逃れる為、心の痛みを麻痺させる為、夢中にさせ、虚しさや孤独を埋める為、一時的な解放感を得る為に行います。
その行為がいつの間にか、習慣化し固定化され、別の問題を起していきます。身体がぼろぼろになったり、経済的に破綻したり、自分や周囲を傷つけながら、ブレーキが働かないようになります。
依存症は病気です。意志が弱いからかかるものではありません。自分の一人の意志の力で辞めることは出来ません。
この問題は、専門の治療や仲間の力を借りて回復するアプローチがあります。
AC・アダルトチルドレン
AC(機能不全家族の中で成長した子供)の持つ問題
深刻な嗜癖問題を抱えた家族の中で、子供らしい子供時代が過ごせず、いい子になって親代わりに家族を守る生き方をしてきたり、問題を起して自己主張しないといけなかったり、何時暴れられるかどきどきして安心できずに育ったりします。
その中で、思考・行動パターンや家庭内での役割が、大人になっても自分を縛り生き辛くさせます。自分の生き方を見つめ、自分を縛っている鎖から解放され、自尊感情や自己肯定感を育み直すことが大切です。
PTSD
PTSD(心的外傷ストレス障害)
様々な事件や事故、大きな災害の被害者やその目撃者になるなど、過去に起きた恐怖の出来事が、何かのきっかけで甦り、今まさにその場に引き戻されたように、心身ともに反応し制御できなくなることがあります。
そのことで生活の幅が著しく制限されていたり、辛い状況を何度も思い出してしまう、フラッシュバックやパニックになります。
時間の経過によって治まらず、上記の脅かされた状態が続きます。
このような状態には、PTSDに対する専門的なアプローチで症状の改善を目指します。
抑うつ、うつ
抑うつ状態、うつ、双極性などの気分障害
昨今、増加される気分障害では、従来から言われてるうつ病から、バーンアウトでの疲弊状態、強いストレス状態下での抑うつ状態、未成熟型うつ、潜在的な発達障害下での生き辛さからのうつ状態、心的外傷での抑うつ状態、人格障害が影響しているうつ状態など様々な要因の問題でうつを悩まれる方が多いです。
また、気分より身体反応(頭痛、肩こり、下痢など)が前面に出る方もおられます。様々な気分障害は、従来型のうつのように薬と充分な休息で安定される方だけでなく、その人に合った関わりが必要とされます。
対人恐怖、社会不安
人前では、絶えず緊張し、何か失敗しないか、変に思われないかで頭はいっぱいになり、自分がぎこちなくなり上手く話せないし、失敗が増えてしまう。
何とかしないとと思えば思うほど上手くいかない。徐々に人に会うのが怖くなったり、外出が困難になります。
また、人前の特定の場面では、過剰な恐怖や恥ずかしさや恐怖でパニック状態になってしまう。頻尿や下痢になってしまう。自分でも過剰な反応だとわかっていてもコントロールが出来ない。
その場面を避けることで日常生活が困難になってしまたり、その場面を予期して悩み苦しむことが多いようです。元来の緊張体質の方もいらっしゃれば、大きな失敗が影響している方もいらっしゃいます。
また、回避性人格障害の方もいらっしゃいます。
薬物によって改善される方も多いですが、段階別脱感作、認知行動療法やリラックス法を用いて改善を目指します。
パニック障害、強迫性障害
パニック障害は、平常時に突然の動悸、発汗、身震い、息苦しさ、窒息感、胸部の不快感、吐き気、めまい、離人感、コントロールを失う恐怖、死への恐怖などのうち4つ以上の出現によって、日常の生活が著しく損なわれる状態です。
強迫性障害は、強迫観念と強迫行動のどちらか、及び両方によって、反復的、持続的な思考、衝動、イメージが侵入的に生じ、強い不安や苦痛が続きます。(例 施錠の過剰な確認行動、過剰な手洗いなど)
恐怖症では、特定のものに対して、過剰な恐怖感を生じ、そのことによって行動が著しく制限されます。(例 乗り物恐怖など)全般性不安障害では、仕事や学業などの出来事や活動について過剰な不安や心配が侵入的に生じ苦しみが持続します。
どの障害も過剰な不安により、身体反応、強迫観念や行為、イメージなどが自分でコントロール出来ず苦しみます。
この事で日常の生活が大いに損なわれます。また、予期不安にも悩まされます。
このようなパニック障害、強迫性障害などに関しては、薬物療法も効果がありますが、場合によってはカウンセリングや認知行動療法や精神分析的アプローチが効果を発揮します。
摂食障害
拒食・過食嘔吐・過食などの食事を摂ることへの問題を指します。食事を楽しむことが出来ず、絶えず食べること食べないことに拘ってしまいます。体重が数グラム増えただけでもの凄く太ったような恐怖感が襲って来て、強迫的な食事制限や運動をする人もいます。また、自分では食べたくないのに食べないと落ち着かず、吐きそうなぐらい食べてしまい、後で襲ってくる自己嫌悪の感覚に苛まれる人もいます。その為、指を突っ込み吐き、胃液の為に歯がボロボロになってしまう人もいます。それでも、止めれない人、止めたくない人がいます。
摂食障害もアディクション(嗜癖・依存症)としての病です。
アディクションの特徴として、習慣化すること。自分には問題はないと否認したり、そんなに重大な問題でないと値引きします。最初はダイエットの気持ちで軽く始めても、最終的にはコントロール出来ず、自己嫌悪になります。
摂食障害は、潜在的に不安の高いことで問題が生じている場合や気分変調性障害や人格障害がある場合があります。家族との関係の問題が根底にある場合もあります。問題の大きさによって、まずは内科での治療が最優先しないといけないことがあります。また、医療に掛かりながらも慢性化している場合、心理療法や自助グループが有効なことがあります。
リストカット
ある方がこう言っていました。「死なない為に切るんです。」
頭が破裂しそうでたまらなく、また、心が壊れそうで、どうしょうもなく、そこから逃げ出す為に切るのです。(摂食障害、過食嘔吐にも同様の方がおられます。)
ある方は「切っている間は記憶が曖昧だ。」と言います。
また、「こんなに苦しいの誰か気付いて」という思いで切る方もいます。
どの方も苦しさでいっぱいだけど、その対処の仕方が切ることになってしまっています。切る感覚も徐々に習慣化し、自分でも止められなくなってしまう人もいます。
リストカットをする本人も、それを見ている方も大変辛い状態です。切っている瞬間はそんなことを考える余裕もないほど追い詰められているようですが傷によっては死にいたる場合や、神経の損傷で手が動かなくなる場合もあります。
刃物で身体を傷つけ、出血する様子を見ている家族の方の気持をまず落ち着ける為の援助も必要です。
リストカットをする本人、ご家族が自分のことを語るうちに気付いていないことが見えてきます。特に本人は、リストカットをする自分の破裂しそうな何かを言葉として吐露していく必要があります。
来室され、自分の気持ちを見つめることで新たなる道が見えてきます。
解離性障害(多重人格)
解離の現象はタイプや度合いがあります。深刻なケースになると一人の人に複数の人格が存在します。これを解離性同一障害と言います。解離性の病理は基本的には幼少時に形作られていると言われています。
心理的な解離と生物的な(器質的な)解離(C.Ross)
・健常な生物的解離(夜間にトイレに行ったことを忘れる)
・健常的な心理的な解離(退屈な授業の間に見る白昼夢)
・病的な生物的解離(脳震盪の後の健忘)
・病的な心理的な解離(深刻な外傷体験に関する健忘)
解離性の問題の中には、健忘(記憶障害)や多重の人格達による社会生活や精神生活が支障をきたします。また、人によってはリストカットの問題が生じる場合があります。
回復には、「異なった人格がまとまり統合されること」バラバラであった人格の間で連絡がとれ情報が共有され、独立した人格である必要性が無くなっていくことが目標です。しかし、まず第一には、システムの安定化を優先し、現在のその方の心身のストレスを軽減し負担を減らした上での関わりが大切です。
人格障害
人格障害は、大きく3つに分けられます。
第一群「妄想性人格障害」「分裂病質人格障害」「分裂病型人格障害」妄想や非現実的な考えに囚われるが特徴。
第二群「反社会性人格障害」「境界性人格障害」「演技性人格障害」「自己愛性人格障害」激しい不安定な感情が特徴。
第三群「回避性人格障害」「依存性人格障害」「強迫性人格障害」「受動ー攻撃型人格障害」不安、おびえ、恥、引きこもりなどが特徴。
潜在的に発達障害を持たれている方もいますが、その方の気質(過敏さなど)や生育歴での関わりやトラウマによって影響を受け、独特の心理的防衛機制の偏りによって、一般から著しく逸脱した内的経験や行動の持続パターンが固定し持続され、生きづらさを持ちます。
1.自分や他人や出来事に対する受け取り方
2.適切な感情や感情の幅、強さ、安定さ
3.対人関係の機能
4.衝動のコントロール
以上の内2つ以上困難さが日常の生活において支障をきたす場合に人格障害の可能性が考えられます。
精神分析的アプローチや認知行動療法や弁証的認知行動療法などが有効です。年齢の若い方では、家族療法も有効です。
自分の性格の問題
くよくよ考え込む自分が嫌い。もっと楽に人と打ち解けたいのに緊張して固くなってしまう。
自分の思うようにならなさ過ぎる。
「自分の性格がもっと・・・・・・であれば」
と悩むこと自体は、珍しくないことです。
ですが、そのことで悩み続けていることはとても苦しいことです。自分の性格に悩んでいる方の中には、社会不安や対人恐怖があったり、トラウマの影響であったり、ACの問題があったり、発達障害の問題が潜んでいるかもしれません。
自分のことをしっかりと語り、問題を整理し明確化することで解決の糸口や自分の嫌いな性格の中に大切なリソース(生きやすさに役立てる資源)が見出せる可能性もあります。自分をもっと受け入れやすくなります。
一度しっかり自分を見つめ直してみてはいかがでしょうか?
性の問題
性の問題には、体の機能的問題がないのに性機能不全(EDなど)。不感症、セックスレス、性依存症、性被害、性的的虐待の被害者など様々な問題があります。
これらの問題は、夫婦関係に起因している場合もあり、トラウマが原因になっている場合もあります。
性の捉え方や性にまつわる出来事を安全な場所で自由に語り、今まで言えなかったことを口に出す、表現することが解決の糸口になります。
また、本人だけではなく、家族やパートナーの協力が解決の意図口になる場合もあります。
家族・相手との問題
夫婦問題、家族の問題、子育ての問題
家族は社会における一番小さな集団です。その為、心身ともに距離の近い関係です。だからこそお互いに理解し助け合っていきたいものです。
しかし、一度こじれたり、問題が生じると他の人間関係と違って、簡単に距離をとり離れることも難しい関係です。心身ともに近い関係だからこそ、お互いに理解していると決め付け、相手の気持ちに気付けなくなっていることもあります。
近しいからこそ期待も大きくなり、期待が破れると失望も大きくなったりします。コミュニケーションがパターン化し、変化が起こせなくなっている場合もあります。関係性に息苦しさを感じることもあります。
第三者が入ることで、家族の纏綿とした関係が揺らぎ、変化をもたらすものです。長期間雨戸を閉めたままでうす暗く風通しが悪く息苦しくなった部屋の窓を開けると、明るくなり、新鮮な空気が入り、呼吸がしやすくなるイメージでしょうか。
家族の関わりに悩み頭を痛めている人、あなたが変化をもたらすキィパーソンです。
どうか一人で悩まず、相談にお越しください。来室されたところから変化は生じてきます。
引きこもり・不登校
引きこもりや不登校は個人や家族の問題だけでなく、社会的な問題も多く影響を及ぼしています。
多様化する価値や生き方の中で、本人も家族も迷い悩んでいます。その中で、一時的に立ち止まり、全てのことから離れ、自分の内側に向かう為に引きこもる方もいらしゃいます。
また、家族の問題で外に向かうエネルギーが持てない方、発達障害が潜在的にあり集団生活に困難さを抱えている方、いじめの問題がある方、思春期の悩みのある方、うつなど気分障害の問題のある方など、原因やきっかけは様々です。
そのため、本人との関わり方や援助の方法も違ってきます。
不登校の多くは家族療法が有効ですが、本人が来られない場合、家族相談でもかなり援助ができます。
家族の中にある決まりごとやパターン、かかわり方のルールを見ていきます。
私たちは犯人探しはしません。解決の糸口を一緒に探します。
DV(夫婦、親子間の暴力)
夫婦や恋人や家族という親密な関係の仲で生じます。暴言や暴力によって一方をコントロールし支配します。
暴力を受けている側は支配下に無力感を持ち、この問題を解決していく意志を奪われます。
また、暴力を振るう側は 社会生活では自己の欲求を抑圧し、自己主張しないタイプが多くおられます。
特に暴力を振るいやすい人には自分の感情表現が苦手なタイプが多く見られます。暴力の関係も、暴言・暴力の後、異常に反省し相手のご機嫌をとり、関係性が一時的に親密さを取り戻しますが、再度、緊張状態に入り、また暴言・暴力へと移行するサイクルがあります。
カップルカウンセリングや成育歴からくる影響を探る精神分析的アプローチが有効です。また、怒りのコントロールを学ぶことも大切です。