アプローチ方法について
心と関係性の相談室「RE」では、実践に適した形をとる為、何々学派と言うような単独の理論や技法でなく、折衷派として様々な角度から皆様の抱える問題や悩みにアプローチしていきます。
まずは、じっくりお話をお伺いしてから、どのような関わりが適しているかを検討し選択していきます。単独であったり、複合的に療法を組み合わせで関わっていきます。
カウンセリング
ひとりで悩みを抱えていると、時にひとつの同じ回路に閉じ込められ、ぐるぐる思考の悪循環を繰り返し疲れ果てることがあります。
そんな時、誰かに悩みを語り聴いてもらえると、多くの人は受け止められたと感じ、その事で気持ちが落ち着きます。そして、落ち着いてくると、問題に向き合う力が回復します。また、見落としていたことにも気付けます。
それは、調度悩みの持つ否定的な不安の雲が晴れ、問題がはっきりと見えてくるようなものです。そこで、問題の解決に取り組むことが出来るのです。
カウンセリングは、上記のプロセスをお手伝いする為に、語りの場を安全にする為に、C.ロジャーズが提唱する「批判なき心」「共感」「自己一致」に基づき、問題を抱えている人が自由に語り、自己洞察し、問題の明確化を促していきます。
精神分析的アプローチ
精神分析的アプローチでは、現在の問題の起源を過去(幼少期)の重要な関係者との関わりやそこで起きた出来事に求めていきます。また、治療関係における心理的な動きを重要視します。セラピーの中で、問題にまつわる外傷的記憶の感情処理を取り組むことも重要視します。
重要な関係者との関わりを通して形成した防衛機制があります。それは、あまりにも子供の頃から形成したので、成長した今では無意識に使っています。その防衛機制は、子供の頃は生き抜くのに必要だったかもしれませんが、今では、却って生き方を大きく限定したり、生き難くさせているものがあります。そう言った無意識の防衛機制を意識下に見出し、それにまつわった過去の傷つきの痛みのカタルシスをし、自分を縛るとらわれから解放していくことを促します。
EMDR眼球運動による脱感作と最処理法
EMDRは、PTSD(外傷後ストレス障害)に対して効果的な療法です。外傷的な出来事を考えながら、眼球を一定の速度で動かし、脳の本来持っている情報処理のプロセスを活性化させることで、治療を行います。
トラウマになった出来事の視覚記憶、聴覚記憶、身体感覚、情動認知(出来事そのもので取り入れた強烈な思い込み)の5つのチャンネルを眼球運動によって、圧倒してくる感覚から和らげ、新しい認知を取り込んでいきます。
EMDRは、災害被害者、レイプの被害者などの生命をおびやかすような大きなトラウマ体験の方にはとても有効なものです。
認知行動療法
近年、うつ病の方に適していると実証されている心理・精神療法です。欧米では特に積極的に精神科治療の現場で取り入れられています。
「人は外的問題に悩むのでなく、外的問題をどう捉えるかによって悩むのである」と言う考えから、問題をどう捉えるか=認知するかに焦点を当てたアプローチです。
物事をどう認知するかによって感情や気分や身体感覚が影響され、その結果、行動が決定されると考えています。
自分を苦しめる認知(考え方のパターン、イメージ)、信念など固定的な捉え方を見出し、修正していく心理療法です。また、従来の行動療法の技術を利用し、認知面だけでなく、行動面での問題を変化させていきます。
簡単に言えば、自分を生きづらくさせている考え方を見出し、その考え方を検討し、より生きやすくする考え方や行動を変えていく療法です。
身体心理療法(ボディサイコセラピー)
現代社会において、身体はまるで道具や機械のように酷使され、その結果ストレスを溜め込み、病気や慢性的症状に苦しむ事になっています。
しかし、最近になって、ヨガやカイロやマッサージといった身体を労わることをやるようになってきました。身体の欲求に耳を傾け、それに応えるようになってきています。
心と関係性の相談室「RE」で行う身体心理療法もその一つです。身体に働きかけることによって、心理的な問題(例えばトラウマや条件付け)の解決をしていきます。
身体心理療法の創始者のライヒは、慢性的に抑圧された否定的な感情が筋肉の中に封印される(例えば、力んで息を殺すなど)と、それに応じて自然な感情の流れもせき止められると考えました。その結果、身体の生気がなくなり、歓びは消え、様々な心身の問題が起こってくることに気付きました。
彼は、精神療法が言葉だけでなく、身体に介入し、体の緊張を緩め、感情解放する療法であるボディサイコセラピーを始めました。
私たちは、ライヒの考えを受け継ぎながらも、その後の新しい理論や技法を展開していった3つの療法を統合したものを取り入れています。
家族療法
病気や問題を持つ人を家族が抱える問題の担い手と考え、家族の関係にあるパターンの問題を探り、変化させていく治療法です。
家族も社会の中の一つの小グループです。社会の変化の中で多いに影響され家族形態も様々な形になり、時代の変換から来る世代間の価値観のズレがあります。それとは逆に家族への個々の普遍的な思慕があります。それらが絡み合って問題を生じさせます。
家族療法では、誰が犯人かを探し出すのではなく、家族のどんな関係がどういう風に影響していくのかを探り、セラピストが介入することでその関係に変化を及ぼしていきます。
10代、20代の不登校や引き籠り、摂食障害、リストカットなどの問題は家族療法が有効です。